クレールの膝のakubiのレビュー・感想・評価

実験という名の、ふりまわされて幸せなヴァカンス知らぬが仏。わがままな欲望のその必要性を説くダサいおじさんの話なぞ、爛漫な乙女たちはどこ吹く風。
日焼けした頬。涙で溢れた瞳と雨でしっとりと濡れたぴかぴかの膝。水辺で遊ぶ白鳥。いたずらなキス。もじゃもじゃのひげ。煌めく青春のはじまりにゆらめく、婚前最後の陽炎のようなヴァカンス。

ちょっと変態で情けなくたって、ずっとにこにこしちゃってる。そうか、こんなふうに中年は若者に相手にされなくなってゆくんだよな。って。常夏の、薫る哀愁がキュート。