Toineの感想文

クレールの膝のToineの感想文のレビュー・感想・評価

クレールの膝(1970年製作の映画)
3.8
【くだらない嫉妬心にエスプリを効かせて】
邦題を見てまさかと思ったら内容そのままの変態映画でした。
ロメール監督は本当にスケベですね。
しかしそこだけが見所ではなく議論好きのフランス人らしさ溢れる会話劇で物語が進行するのが個人的に大好きです。
あっという間の105分でした。

主役のおじジェローム氏はなかなかの女好き。
ロケ地のフランス南東部アヌシーの素朴で美しい風景とおじのチャラさとの対比が何だか笑える。
そして婚約者も居るのに何十歳も年下の女の子の膝に触りたいって…(白目)
きっしょいですわー😂
普段観ているグロゴア映画なんかより完全にアカンやつですやん。

だがしかしこんなアレなストーリーを高尚で純文学的なものに昇華させるとは流石おフランス。
そして名匠エリック・ロメール。
既に彼氏が居てジェローム氏に興味が無いクレールさん。
妹はジェローム氏に惹かれたけれどクレールさんは道を踏み外さなかった。
彼女のそんな部分にチャラ男のハートに火がついて…。

子どもの嫉妬と大人の嫉妬。
大人の方が心に不純物が多いから醜い行動に出てしまうのですね。
そして純粋な恋心を邪魔してしまう。
最終的に自分の欲望を満たし何食わぬ顔で婚約者の元へ帰って行くジェローム。
反省しないジェローム。
自分だけ良いとこ取りのジェローム。
美しいお膝を触りたいがためにそこまでする?!
…取りあえずジェロームは4刑でお願いいたします。