りっく

Dolls ドールズのりっくのレビュー・感想・評価

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)
3.5
北野武が描くラブストーリーの女性は、俗世から離れた神聖さがある。そんな女性に男性が寄り添い、そして世間からどんな目で見られようとも、2人だけの閉ざされた世界で純度の高まった愛を育む。そんな印象がある。

本作も例外ではない。3組の男女が歩みを共にし道行き、そして2組は女性を残したまま男性が絶命し、そして1組は赤い紐で互いに繋がっていることで崖から落ちてしまう。劇中で同じくラブストーリーである「あの夏、いちばん静かな海。」「HANA-BI」のセルフパロディのような場面も出てくる。

また「ソナチネ」の沖縄の海辺での遊戯場面に代表されるが、人形が人間を演じる浄瑠璃を転換させ、人間が人形的に演じさせる演技も北野武ならでは。
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