増村保造と言えば、ドロドロドロの愛憎劇の創造主。のちの大映ドラマにも活かされてる。
それに必要なのは、くどすぎてギトギトしたキャラクターと、世界が終わるんじゃないかってくらい大袈裟なセリフ、そしてこれ以上ないくらいのバカバカしい設定よ。
この映画に決定的に欠けてるのは、セリフ棒読みの演技力も性的魅力も全くない高橋。
ふたりの女優が立場の違いからそれぞれが叫ぶ
「愛のためにやったのよね!?」
のセリフが、安っぽいセットよりも存在感のない男に向けられた時点で、全く共感できなかったわ。
男を見る目が全くない女たちが、どうしてここまで奪い合うのか、を考えてるうちに、登場人物たちの顔のドーランの境目がやたらと目について仕方なかったわ。