tom

ネバーエンディング・ストーリーのtomのレビュー・感想・評価

4.0
想い出補正込みの評価です.
懐かしくて見入ってしまいました.
ただ,オトナへのメッセージも含んでいるので,本作が面白いことに変わりはありません.

まず脚本やストーリーについて書きましょう.

厳しくいうと,やや飛躍しているという印象を受けます.
原作ありきということと,上映時間の編集の関係でしょう.
ただ,結果論でいえば,全てを説明しきらないことが謎を呼び,観客の印象に残り続けたのかもしれません.
また本作のファンタジー感の魅力が,飛躍ぎみな部分を補っているのかもしれませんね.

次に技術面について書いてみます.

言ってしまうとCGが少し薄い印象を受けます.
しかし,いま観ても撮影方法が分からないシーンが存在することを考慮すると,
この時代にしては十分なのではないでしょうか.
のちの「ロード・オブ・ザ・リング」を想起させるような緻密な世界観を,
この時代に頑張って作ったのだと私は感じました.

最後にメッセージについて書きます.

「夢を持つことをやめないでほしい」
これが本作のメッセージです.

こどもごころには単なるファンタジーとして映る本作も,
オトナが観るとハッとすることもあるのではないでしょうか.

毎日同じ電車に乗って同じ会社に通うなか,
学生時代に描いていた夢ってなんだっけとか
最後にワクワクしたのっていつだっけとか
ココロを殺して作業マシーン化している現在ってどうなんだっけとか.

想い出補正込みで鑑賞してみたところ,
色褪せない名作なのだと認識を改めました.

そんな一作です.
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