遊

美しきセルジュの遊のレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
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ヌーヴェルヴァーグの始まりの一作として押さえとくか...くらいの気持ちで観たら、めちゃくちゃしっかり引き込まれた 失礼しました

この二人どんな関係なんだよ...と思わされたらいつの間にかのめり込んでた
男女のどーでもいい色恋話ではなく、都会と田舎の隔絶、久しぶりに邂逅した男同士の微妙な距離感、善意の押し売りの是非など 数多くの「機微」が描かれていた

都会人には初期装備の合理的で高潔な思考様式でもって、野蛮で無秩序な田舎を啓蒙してやろうとしても 「もとからそれで回っている」田舎のコミュニティからしたら輪を乱す傲慢なお節介でしかない そもそもそこに優劣はない
「外から来た奴が空気読めてない」感がとても巧く醸されていた

処女作とは思えないような無駄のないカメラワークは凄いというよりも、不思議 なぜここまで的確を捕まえられるのか

ジャックリヴェットが本名で一瞬出演してきたの笑えた
遊