中庭

エム・バタフライの中庭のレビュー・感想・評価

エム・バタフライ(1993年製作の映画)
3.3
鑑賞者の抱く最もな疑問は、法廷で答えらしきものが示されるが、彼が愛したバタフライは彼自身の欲望の投影であるに過ぎず、身体化されていなかったからこそ、彼は最後まで気付くことを選ばなかった。
赤ん坊の存在など、何の効果も発揮し得ない。
バタフライが男であるかどうか、彼は何かを感じてはいても、最後まで確かめることをしない。内面の変貌など、クローネンバーグは映すつもりもない。
二人重なって椅子に座り、着衣での後背位を覗くようにとらえたショットを、我々はどの現実で受け止めていただろうか。
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