中庭

伊藤潤二 恐怖collection 「悪魔の理論」の中庭のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

たまたま発見の清水崇作品。校外の様子がうかがえない保健室で、女子学生が手にした背表紙の真っ黒な一冊の本。照明操作など、特筆して焦点化されるわけでもないのにこの禍々しき存在感。一人目が飛び降りた瞬間の、耳を貫通する着地音と「ジャージ」との視線の交わし合いが、取り返しのつかないことが起きた、血の気の引く恐怖を上手く演出する。本の正体はさておき、屋上で語られる過去と未来、神と悪魔の対比の場違いさは狂気でしかない。地上から契約者を呼び落とす、白衣の悪魔。
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