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戦争のない20日間のしのレビュー・感想・評価

戦争のない20日間(1976年製作の映画)
4.4
徹底して創造されたリアリズム。映画に流れるリアルな時間の追求(これは物理的な時間ということではないのですが)。映画文法に沿った撮られ方の中に、イワン・リプシンから次第に顕著になってくる監督の独自性が提示され始めます。雑多な音響やカメラワークの萌芽が見られ、こういった監督の姿勢は、劇中の映画監修のシーンで主人公の言葉を通して表明されているわけです。

主人公の抑えられた無表情が、束の間の恋人の無事を祈りつつ最後爆撃のやんだ瞬間の笑みに、この映画のカタルシスは濃縮されています。
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