戦争のない20日間の作品情報・感想・評価

「戦争のない20日間」に投稿された感想・評価

空爆の迫力が凄まじい
汽車で聞いた男の身の上話
似た境遇にいる主人公が
男に頼まれて書いた
手紙の内容が気になる
虚構多めの映画制作風景が
対比となり戦場の画に
リアルさと悲惨さが増す
その他大勢の人々も
ちゃんと生活している
作り込まれててすごいなぁ
浮浪者

浮浪者の感想・評価

3.5
「ない」ことなどなかった。銃前よりも銃後での生きられた時間にこそ、戦中が要求する滅私と克己が炙りだされ、譲り渡さない自由もまた現れる。
願かけしちゃう気持ちはすごくよくわかる。もし〇〇だったら……。僕もよくやる。
独ソ戦の中の、兵士の休暇を描いた作品。

淡々とした描写の中で、たまに戦争が顔をのぞかせる。それが長期化した戦争を感じさせた。
NaotoOno

NaotoOnoの感想・評価

3.4
戦時中、20日間の休暇を得て、中央アジアの疎開地タシケントに赴く従軍記者ルパーチンの物語。

前線の緊迫感と、タシケントでの束の間のロマンスを、特に起伏もなく淡々と描いていて、後期の作品の暴力性は鳴りを潜め、純粋に美しいシーンが多かった。

それでもやはり、あの錯雑とした不協和音がポリフォニックに鳴り響くゲルマン独特の映像はこの頃から健在だった。
るる

るるの感想・評価

3.2
IVC版を視聴
全てのセリフに字幕がついていなく何を言っているのかわからない場所がある
頷いているのか否定しているのかわからない

よくソ連のコードにひっかからなかったなあと思う内容だった

タイトル通り戦争のない(休暇)を描いているのだけれど片道7日間
つまり束の間の休息は6日間しかないことになる

自分が戦争に行っている間に妻に男が出来ていたらもう言葉も出ないでしょう

音楽が流れたりせずモノクロの世界が淡々と映る
カラー作品でなくて良かったなと思わせる作品だった

内容は感動した!とかではないんですよね
本当に何気ない…1人の兵士の人生の6日間を見せられているわけですから何気なくはないんですが新しい発見があるかというとないのかなと
唯これをソ連が作ったという事に価値があるのだと思います
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.7
オープニング、浜辺で兵士たちが談笑していると、一瞬兵士のセリフかと聞き間違えるような自然さでナレーションが割り込んでくる。これから流れる映像が、主人公が戦場について唯一思い出す記憶であることが明らかになる。平穏な浜辺に突如五機の戦闘機が現れ、即座に砂浜に伏せる兵士たち。地面、飛行機、黒煙が画面を覆っていく火薬の爆発が一つのカットに収まっているのが良いな。戦闘機が過ぎ去るとすぐに談笑を再開する兵士。暴力に慣れきった戦場の姿。
汽車のシーンで、妻に不倫をされた男の長回し独演会があるが、後々この語りの内容が主人公にとっても無縁ではなかったことが明らかになる。これが相当長い一人芝居なのだが、彼はかなりの語り手で、身振り手振り、豊かな表情、興奮して吃り気味になる様子で退屈させない。見終わって調べてみたら、「ロマノフ王朝の最期」でラスプーチンをやっていたアレクセイ・ペトレンコだった。流石の怪演。
ゲルマン作品だけあって外景のショットは強い。汽車の車窓から見える、人物の配置が独特な終末感溢れる光景や、汽車を正面から捉え、煙を強烈な月光が突き破ってくるショット。
音の使い方も独特。駅のシーンで、汽車が到着し母子が再会すると、引きの画にもかかわらず、母の狂喜の声がカメラすぐ側で鳴り響くような音になり、それ以外のざわめきは後ろに退く。
食卓のシーンの、カップを頭に乗せる描写は「フルスタリョフ、車を!」のラストカットを思い出す。
ワイプが一回だけ使われるが、これが妙な代物だった。草原でヒロインと主人公がタバコを吸うシーンなのだが、通常、シーン①→ワイプ→シーン②に転換となるところ、シーン①→ワイプ→シーン①のラストカット(草原のロングショット)→シーン②(街角の楽隊の側を歩くシーン) となっている。うーんなんじゃこりゃ。
映画内映画の制作のシーンで、「映画には盛り上がりがないと」という台詞があるが、これが明確なクライマックスの無い本作の中で発せられる面白味。ゲルマンによる批評的な皮肉だろうか。「神々のたそがれ」「フルスタリョフ、車を!」同様、状況や人物について説明不足のまま、ガヤガヤと人々が画面に出入りしていく作風がゲルマンらしいが、それらよりも画面の強度が落ちるので釈然としない気持ちも強い。
戦争映画の製作の光景に差し込まれる、主人公の実体験が本作で最もインパクトの大きいところだろうな。主人公が写真を撮ろうとすると突如空爆に襲われ、建築物がスローモーションで崩れ落ちていく。神話的な光景。両者の差は歴然だ。プロパガンダ色が強い、勇しく歌う家族のシーンの撮影に対して、どうですか?と聞かれた主人公が何も答えず肩を竦めるのも当然だろう。
工場での演説は彼の本心なのか?彼の姿を見ているとそんな勇ましい気力が残っているようには見えないが。また、彼は何故休暇を中断するのだろうか。もしかしたら、強烈な戦争のイメージに取り憑かれた彼には、銃後の生活の全てが映画制作のシーンのようにリアリティを失ってしまったのかもしれないな。
ラスト手前のロマンスシーンも独特。時計の針の音を強調し、暗い部屋で会話は交わされず、(おそらく)主人公の主観ショットで静かにヒロインのイメージが重ねられていく。
ラストシーン、彼に取り憑いた唯一の記憶であったイメージが再演されるかのように、やはり再度突如空爆が始まる。三度で空爆が収まればラッキーだという願掛けが当たった主人公の微笑みから、一体何を感じればよいのだろうか。
TaiRa

TaiRaの感想・評価

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アレクセイ・ゲルマンは後期作品みたいなカオス系撮る前は割と普通だったのか。

戦争映画だけど戦場の場面は最初と最後だけで、メインは休暇の数日間。戦争のない日常に帰った主人公の話。悲惨な戦場と全くかけ離れた一般生活とのギャップを描く作品はよくあるけど、大半は戦後の生活に馴染めない帰還兵とかだよね。これは戦争中の休暇だからまた戦場へ戻る。この辺は新鮮。戦場から地元へ戻ってもやる事は戦死した友人の遺族に合う事、関係が破綻した妻との離婚手続き、など嬉しい事はなし。自分の書いた従軍記が映画化されるので撮影現場に行って監修するも、現実と違う作り物の「戦争」に辟易。休暇中に知り合った女性との束の間の癒やしも、別れが決まっているから余計に切ない。戦争が終わったら彼女のもとへ帰れるかも分からないし。冒頭とラストは戦場で爆撃に合う場面。戦闘は描かれず、ただ爆撃が終わるのをじっと待っているだけ。死んだら「運が悪かった」、生き延びたら「運が良かった」という考え。大きな流れにどうすることも出来ず、ただ身を任せるしかないというのはアレクセイ・ゲルマンらしいところなのかも。戦場に帰って妙に楽しそうな主人公が印象的。
Chimpsha

Chimpshaの感想・評価

4.0
作為的なフレーミングと音響がまったく作為を感じさせない空間を作り上げる。スコープサイズの横に広く、縦に狭い画面は身長差のある対話相手の頭部を容赦なく画面外に追いやりつつクローズアップで映される人物の端に本筋とは関係ない空間を作り出し、その中で人々は画面端でこちらを見据えたり、あるいはドラム缶に乗って遊んでいたと思ったら音もなくクローズアップで迫る戦闘機からの掃射であっけなく死んでしまう。遠くの戦争が急に襲いかかり、あるいは女は画面奥に去り二度と帰ってこない。周到な距離感は轟音や爆音をわざと遠ざけ奥の人物の会話をわざと近づける音響によって強調されているのだが、そんな中で一番印象に残るのが、うつろうカメラワークとも、話の本筋ともまったく無縁の、ただ汽車を追いかけて走る少女なのがとにかく非常に良い
132 2020/3/22 シネマヴェーラ
ソヴィエト&ジョージア映画特集

ドイツとの戦争中の休暇の20日間。
戦況を聞かれたり、戦死を告げたり、軍事品工場に激励に行っく中、戦争映画の撮影現場を覗いたり、年末年始のパーティなどの憩いのひとときなどが垣間見えたり、ホッとしてると爆撃があったり。
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