chaooon

飼育のchaooonのレビュー・感想・評価

飼育(1961年製作の映画)
3.6
続けて大島渚監督作品🎬

大江健三郎の同名小説を映画化した問題作。
松竹退社後の大島監督が初めて独立プロで監督した作品でもあるとか。

昭和20年、第2次世界大戦末期の日本。
東京郊外にある山村にアメリカ軍の飛行機が墜落し、1人の黒人兵が村に連れてこられる。
地主の蔵に閉じ込め、輪番制で飼うことになったが、次第に不穏な空気が村全体に蔓延していく…。

黒人兵に向けられる村人たちの差別や偏見。
辟易してしまうほどの強い憎悪の攻撃は見ていて痛々しい😨

村に迎えた「異物」へ向けられていた嫌悪や恐怖の形が、いつしか形を変えて、内へ内へと向かい巡っていく。
露になる村人たちの醜さや隠されていた真実。
なんかゾッとした🥶

自分たちの保身のため、都合の悪いことはいいように他人になすり付け、いかに恩恵に与るか、それしか考えてないように見える。

その全てを見つめる子供たち。
あああ…
好奇心はあれど悪意はない、無垢な子供たち。
無邪気に川で黒人兵と戯れる子供たちの姿は唯一救いだったけど、結局は腹黒い大人たちの悪意にいずれは染まっていくのだろうか…。

これはかなり怖いものを見てしまったな…🥶

それと、この時代の三國連太郎は初めて見たけど、なんかやはり存在感あるな✨
chaooon

chaooon