あかつか

飼育のあかつかのレビュー・感想・評価

飼育(1961年製作の映画)
4.5
川崎育ちの私ですが本家が新潟にありまして、10年ほど前にはじめてご挨拶に行ったのだが、本家と分家の差に愕然とした。隣近所なのに、かたや豪邸、かたやバラック。なんじゃこりゃーと思ったけど、守るものがある本家ってやつは大変なんだろうな。ちなみに本家も分家も総じてハゲてたから、将来の自分が不安になった。

本題。本家と分家、疎開モン。役場。東京と田舎。大人と子供。今までなんとか丸くおさまっていたものが、米兵という異物投入で一つになったりバラバラになったり。繰り返される小爆発からの大爆発。でも「なんかいろいろあったけど丸くおさめようぜ!」という日本独特なんだか人類共通なんだか、そんな結末。

本家・三國連太郎の好色漢っぷりが、また関係性を複雑にする。頼られたり批判されたり忙しい。脇を固める浜村純とか加藤嘉とか、分家顔の山茶花究。沢村貞子や岸輝子も超イイ。オールスターキャストで因習っぽいのやっちゃうの、『楢山節考』みたいで大好き。
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