Shirorin

初恋のきた道のShirorinのレビュー・感想・評価

初恋のきた道(1999年製作の映画)
3.4
始まりは、地味で暗い感じ。
しかもモノクロ。

ばーさんが死んだじーさんの棺を運ぶのに、病院からトラクター🚜に乗せて運ぶか、伝統通りに人力で村まで担いで戻るかで、「絶対人力で」と言い張る。

人出もないのに頑固だなー。しかも今から機織りまで始めるという。なんで…?


その答えが息子の回想で明らかになる。

現在がモノクロなのに、回想シーンはカラー。というのが面白い。

ばーさんにとっては、自由恋愛のまだ珍しかった頃、じーさんとの出会い、初恋の想い出はまだ鮮明な記憶なのだろう。

広いだけの何にもないど田舎の農村で、赤い袢纏や、ピンクの服がとても鮮やかで、チャオディ(チャン・ツィー)を可愛く見せる。

ほとんど彼女のドアップ。
いつも彼を目で追い、足で追いかけ、微笑み、待つ。ひたすらこの繰り返し。

なんと初々しく、切ないことよ。

彼に食べてもらうはずだった餃子🥟を持ち、彼の乗った馬車を走って走って追いかける。
近道して、必死に追いかけて、ひょっとして追いつくのかと思うほどたったが、変な走り方のせいではないと思うが、すっ転んでお皿は割れて餃子は飛び散る。

ああ、切ない…
(ほんとは大爆笑したけど🤣
ああ、私はもうピュアでないなぁ…)

大雪❄️の中、眉毛も真っ白になりながら彼を待つ。ただただひたすら待つ。

そんな風に、彼を何度も待ったその道は、ばーさんにとって、大事な想い出の道で、初恋の来た道だったんだ。

だから、なんとしてでも葬列を組みたかったんだ。

そして機織りの意味も知る。

ちょっと退屈に感じたけど、ラストめっちゃイイ話だった。


原題は『我的父親母親』私のお父さん、お母さん。ダサ。
邦題が素晴らしい!!
息子から見た両親の物語ではなく、チャオディの物語をメインにしたタイトルになっている。

初恋のピュアな気持ちを思い出したい方はぜひ。
Shirorin

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