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忍びの者 霧隠才蔵のCisaraghiのレビュー・感想・評価

忍びの者 霧隠才蔵(1964年製作の映画)
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『忍びの者 伊賀屋敷』から二つ戻って霧隠才蔵。ここを飛ばすと忍びの者双六は上がれない。伊賀屋敷でも感じたが、既にこの頃から忍びの者に眠狂四郎のキャラが影響を及ぼしている気がする。この直前に撮っているのが、前年11月に第一作が公開された眠狂四郎の三作目・円月斬り。一作ごとにくっきりと違う個性を作り上げるのが雷蔵さんだと思っているが、7ヶ月足らずの間に三本も同じキャラを演じると役が抜けにくくなるのだろうか。
 最初はすっぴん同然だった雷蔵さんの忍びの者メイクもだんだん濃くなって、この作品ではアイシャドーの濃さが目立つ。特に目の下の隈のようなシャドーが特徴的。この作品から五右衛門が霧隠才蔵に変身したので、差別化を図ろうとしたのかな?

表の歴史は、大阪冬の陣から夏の陣にかけて。今回の雷蔵さんの敵は鴈治郎で、関西訛りのあるしたたかな家康。家康に対するは霧隠才蔵を味方につけた若山富三郎扮するおとなしそうな真田幸村。同じ人が演じていた『忍びの者』の猛々しく残忍な信長とは対照的。霧隠才蔵は、猿飛佐助と共に真田十勇士の一人で、伊賀忍者の頭領・百地三太夫の弟子、石川五右衛門は兄弟弟子になるという。霧隠才蔵とか、猿飛佐助とか、誰がつけたか知らないが秀逸なネーミング。この4人の中で石川五右衛門だけは実在の人物らしい。

それにしても、雷蔵さんと鴈治郎の共演多い。数えたら21本あった。これが最後の共演作。でも、娘の玉緒ちゃんとの共演作は40本!

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