jun

12人の優しい日本人のjunのネタバレレビュー・内容・結末

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

陪審員として選ばれた12人。
話し合いの場に集まって直ぐに、各々が決めてきた決を採った「無罪」。
対し、皆で議論を重ねた結果、不明点を無くし、各々が無罪・有罪を主張する要因を考えて皆が納得して導き出した満場一致の「無罪」。

12人12色、自分の生きている環境・性格の違いで、被害者・加害者に対する思いも全然違う。議論しなければ、視点の違いで見える景色が異なる事も、自分が何に引っかかっているのかも解らないままだった。

題材は重たい気がしますが、コミカルなやり取りや、役者さんの演じる日本人特有の其々のキャラが面白くて展開が楽しめました。

後半の「…実は歯医者だ」・「…弁護士というのは嘘、俳優です」という嘘を告白するシーン。
前者は、自分のメンツを保つ為だけで何の解決にもならないが、
後者は、その嘘によって安心できた人が事故の状況の違和感に気付き、一つの答えを導き出せたようで対比が面白かった。

最期に、冒頭のシーンが盛り込まれたことで、同じ「無罪」という答えでも、中身が全然違うという面白さと怖さを感じました。
当事者同士にしか解らない真実を見極めなければいけない陪審員。
自分だったらどうだろう?と考えてしまいますね。

やっぱり三谷幸喜さんの脚本は面白かったです!
jun

jun