途中までは、「12人の怒れる男」そのままの劣化コピーじゃないかと思っていた。
ただ、あの映画に憧れて真似しただけだろ、と。
しかし、物語の半分あたりの、
あるきっかけから俄然面白くなる。
こういう系で終盤、取って付けたような新事実が出てくると萎えがちだが、この辺りで事件の全貌がほぼ明らかになっている。
「事実が出切った状態」=「劇中の人間と観客が持っている情報が同じになった状態」から推理が始まっていくので、こっちも同じ視点になれる。
そして、ある登場人物への印象の変化。
観客側の気持ちと少しずつ離れていく感じ。この映画ならではだと思う。
それにしてもこの頃のトヨエツは異常にカッコいい。男だが惚れる。逆転裁判の御剣みたいだ。役柄的にも。