ベビーパウダー山崎

Lie Lie Lieのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

Lie Lie Lie(1997年製作の映画)
3.5
鈴木保奈美が話に加わるのが遅すぎるとか河合みわこの(あまりにも90年代的な)ダサすぎるはしゃぎかたとか、言いたくなることはあるにはあるが、中原俊の映画は役者を信じて、キャラクターを愛して、キャメラが恥ずかしげもなく迫る瞬間が確かにあって、ラストにおけるキスのあとのトヨエツの飄々とした登場などを見てしまうと、なんだか三人がどうにも愛おしくなってしまい、グッときてすべて赦してしまう。彼彼女らの心の揺れ動きを捉え、撮すことに賭けている中原俊ほどエモい作家はなかなかいない。90年代日本映画の埋もれた良作。