ハレンチ学園在学生

ストーカーのハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
4.2
冒頭、セピア色の画面に濡れた線路上を列車が走るシーンを見てとてつもない傑作の予感がした。どこからともなく不意に弾丸が飛んでくる不穏な状況は見るものに緊張感を強いる。その緊張感は後半のゾーンの部屋にたどり着くあたりまで続くのだが、以降それまでのあまりに長い時間と場面の静けさによって疲労が堆積し強い眠気を感じてしまった。奇抜なSF的設定とそれに反するかのような自然のロケーションだけでは限界があったということか。鑑賞後に大江健三郎の「案内人(ストーカー)」を再読。ゾーンをチェルノブイリに見立てたり、ストーカーの娘(呪われた子どもと言われている)を(アンチ)キリストになぞらえていたりしてなるほどと感じた。小説にもあったが、80年代後半、フジテレビの「ミッドナイトアートシアター」でノーカット、ノーCMで放送していたことが今思えば信じられない。