Ness

ストーカーのNessのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
3.6
すごく哲学的な作品です。「ゾーン」と呼ばれる、「なにか」が起きる場所(隕石が落ちる?)という、とても曖昧な政府が立ち入りを禁止している領域をテーマにしたストーリー。

タルコフスキー監督の作品を観るのはこれが3作目ですが、水(雨、沼、池など)の持つ音や雰囲気を重要視しているのだなと思った。その他環境音を多く取り入れている印象があります。長編作品というのもあるのですが、スローなカメラの動きと無音状態、詩的な表現の連続に何回か寝てしまいます。

個人的にはこの「ゾーン」は人間が根底に持つ絶対的な憧れのメタファーなのかなと思いました。例えば「幸せ」という曖昧な概念とか。それを手に入れるために人間はどんな手段でも使おうとするが、代償を払いながらも、それは手に入れた時には手からこぼれ落ちてしまっているような虚しいものとも言えて、この作品のストーリーとも通じる気がします。

すこし観るのに覚悟がいる映画ですが、映像もかっこいいし観て損はないかと思います。
Ness

Ness