RIO

ストーカーのRIOのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
5.0
200年前に隕石が落ちてきた

立入禁止の地域である“ゾーン”へ3人の男たちが出発する

境界地帯にいる警備兵の他 誰もいない
荒廃した世紀末“ゾーン”には望みが叶えられる部屋がある

アンドレイ・タルコフスキーの水の表現が美しい
流れる川には過去の堆積を透かして空の動きを反映する

井戸の水に揺れる銀色に光る月が語りかける
心を動かしていろと 生まれてくる響き
情熱は魂ではなくて宇宙との振動
生まれたての時は弱くて柔らかい
木がしなやかに成長するように柔軟であれと
堅さと強さは死の仲間
弱さは瑞々しさの現れで堅くなったものが勝つことはない

宇宙の星雲の動き 生命の神秘
監督の信仰心のようなものを感じる
セピア調のシーンはすべて心に強く希望を抱いてる時の表現だと思う

案内役「ストーカー」と呼ばれる男は現代的な学者達と反目している
自分の願いを叶えようとはしないストーカーは希望を持っている人間を案内する事に価値を持っているようだった
絶望のなかにあるからこそ希望への想いが強くなる

絶望的な“ゾーン”への道のり
向かうことは「希望」を見つめること

信じる心が退化した学問や科学には何も力を発揮することはない
ラストの子供が詩を朗読してから硝子のコップに力を籠める所に信じれば何かを動かす事ができると表現したんではないかと感じた やっぱり主体の心が何を捉えているのか そしてそれはとても素朴な感性
1番このシーンにぐっときた

何度見ても何年経っても素晴らしい
この世の何処かに存在しているみたいな場所
ある種 魔力
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