TaiRa

渦のTaiRaのレビュー・感想・評価

(2000年製作の映画)
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紛れもなくヴィルヌーヴ的女性映画の原点。

気持ち悪い魚が息も絶え絶えに物語を語り始める(…本当に魚が喋る)。物語は主人公が中絶手術を受けるところから始まって(リアルで凄い厭)、その罪悪感から悪夢的な世界に突入する、謂わば『反撥』や『イレイザーヘッド』の逆パターンなのかなと観てる間思った。子供が出来たことで見る悪夢に対して、子供を堕したことで見る悪夢。『イレイザーヘッド』の赤ちゃんの感じと喋る魚の感じは似てるし、胎児を連想させる魚は『反撥』の丸焼きウサギみたいだし。でも途中から変化球ラブコメディになっちゃうんでスゲー驚いたし笑った。いつもたまたま居合せるおっさんが全てを左右する適当なアドバイスくれたり、とある状況でのもの凄い気不味さとかは爆笑した。最後は爽やかで変な映画だった。

2000年頃ってクリストファー・ノーランやダーレン・アロノフスキーみたいな尖った若手監督の時代って印象だけどヴィルヌーヴもそういう感じだったのね。主演のマリ=ジョゼ・クローズって『ミュンヘン』のおっぱい殺し屋か!
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