和製ジャックニコルソンです

ペイ・フォワード 可能の王国の和製ジャックニコルソンですのレビュー・感想・評価

4.5
ペイ・フォワード "次へ回せ"
無垢な子供が、世界を変えるにはどうすればいいかと言う課題に対して
自分への見返りを求めない善意を他人へ渡す。
その代わり貰った善意を他の人に回せ。
そうすればこのクソみたいな世界もいい方向に変わるのでは?と考え付く。

綺麗事ストーリーに聞こえるけど、意外と内容は上手く構成されていました。

1番脚本に唸ったのは、周りの大人達の境遇です。
あえて、アルコール依存症や虐待をする親に育てられた過去を持たせる事で
《善意》とは真逆の《悪意》を向けられる事の苦しみを表現。
そして善意はすぐに忘れてしまっても悪意はずっと身体のどこかに染み付いているという対比表現になっているのが素晴らしかった。
どちらにも共通しているのは、善意も悪意も向けられた者にしか分からない感触があるというのもまた素敵だなと思いました。
特にお互い心に傷を持つもの同士の接所には心が痺れました…

確かに映画的に盛り上げを付けるために、ペイ・フォワードの考え方が世界で話題みたいになってるけど、トレヴァーの身の回りは現実的な動きをする人が多かった。
ホームレスを助けて、その瞬間は恩を感じて立ち直ろうとするけど結局は元に戻ってしまう。けど同じ境遇に立つ人と出会った時には助けてあげる心を持ってる。とかすごく現実的なストーリーで好きでした。