TaiRa

レネットとミラベル/四つの冒険のTaiRaのレビュー・感想・評価

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久しぶりに観たらこんなにミラベル可愛かったっけってなる。レネットはやっぱウザくておもろい。

かなりデザインされた「対照的な女の子ふたり」が偶然出会ってマブダチになる可愛い話。四つの挿話で成り立つ映画。やっぱ一話目のブルーアワーを体験する話が良い。これ映画館でしか観たことないけど、あの場面は暗闇と静寂が整った環境で観ないといけないと思う。雨宿りした二人がラジオから流れるピコピコサウンドで踊る場面も可愛い。二話目のカフェの話はオチまで観ると怖い話。すぐそこにいる狂人の話。ボーイとのやり取りは不条理感あって、なんか『不思議の国のアリス』みたい。三話目は一つの話じゃなくて更に短いエピソードが並んでる。レネットとミラベルの倫理観や人間性が表される。ポップ化された二項対立というか、彼女たちが代表する考え方、田舎と都会だったり、自助と共助だったり、そういう議題を頭でっかちにならず、「子供のけんか」に変換して見せてる。あとダメな大人として登場するロメール組役者たちが良い味出してる。四話目の沈黙を貫いたまま絵を売る話も、沈黙と饒舌、芸術と商売、とか色んな概念を並べたスケッチになってる。もうここまで来るとコント性が高い。オチの切れ味とかも含め。オープニングとエンディングのピコピコサウンドも何とも言えない味わいで最高。
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