chiyo

やくざ囃子のchiyoのレビュー・感想・評価

やくざ囃子(1954年製作の映画)
3.5
2023/7/16
映画女優 岡田茉莉子特集で鑑賞。乗合船の中で船に酔った女・お篠を介抱した、旅烏しぐれの彌太郎。互いに一目惚れし、お篠の兄・治三郎にバレないように恋を育む姿が初々しい限り。とにかくお篠演じる岡田茉莉子が可愛らしく、「好き、大好き、惚れたわ」の連呼がくすぐったい。本作の鶴田浩二が意外に格好良くて驚いたものの、私的には岡田茉莉子にこれを言わせたいがための作品だったのでは、と思える。そして、三度笠やお面の使い方も印象的で、特に前者は二人の恋路占いにも使われる。さらに、裏向きで屋根に載っていた傘が落ちて表向きになったことで、何かを察した治三郎がまた裏向きに屋根に載せるのが面白い。見せ場となるアクションシーンもあるけれど、やっぱり「好き、大好き、惚れたわ」には敵わない。岡田茉莉子に尽きる作品。
chiyo

chiyo