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探偵物語のJumblesoulのレビュー・感想・評価

探偵物語(1951年製作の映画)
4.0
【追悼 カーク・ダグラス】
邦題から松田優作みたいな私立探偵がドンパチ・アクションをやると思った人が殆どと思うが、完全な警察ドラマ。警察署内では今でも捜査係の警官を「探偵」と呼ぶので、この邦題は間違いではない。
監督は『ローマの休日』という超有名作を次に作るウイリアム・ワイラー。色々なタイプの傑作を作った人で、『ローマ』のような夢物語よりも、本作や『コレクター』のような人間の本質に迫る作品の方が好み。
物語の9割が警察署の刑事部屋という事からも分かる通り、原作は舞台劇である。主役の融通の効かない石頭の刑事役がカーク・ダグラス。仕事に忠実過ぎて破滅してゆくタイプだが、刑事になる前の父親との確執エピソードをもう少し知りたかった。ラストのダグラスの死に様は地味ながらも名演である。
万引き女役のリー・グラントが、本筋に絡む事なく退場するのが意図不明。部下の刑事がまだ生きているのに、電話で葬儀の手配をする上司の警部補が一番残酷かもw
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