にしにっぽり

ロシュフォールの恋人たちのにしにっぽりのレビュー・感想・評価

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)
4.1
ずっと観たかった作品。
本作品は、色彩、音楽、キャスティング、そして美しいラストシーンが見事に調和した、繊細かつゴージャスな作品だ。ジャック・ドゥミ監督によるこのミュージカル映画は、1960年代のフランス映画界において独自の輝きを放っていたのではないだろうか。
まず、色使いが非常に印象的だ。映画全体を通じて鮮やかなパステルカラーが多用されており、ロシュフォールの街並みや登場人物たちの衣装がまるで絵画のように美しく彩られている。ドゥミ監督は視覚的な美しさを追求し、観客を魅了する視覚体験を提供していると考える。
音楽もこの映画の重要な要素だ。楽曲は軽快で華やか、かつメロディアスであり、映画の物語に完璧に調和している。音楽とダンスシーンが映画全体を通じて繰り広げられ、観客を夢の世界へと誘う。
また、アメリカの名優ジーン・ケリーがフランス語を話せる点も注目に値する。彼の存在は映画に国際的な魅力を加えており、その流暢なフランス語は驚きと感動をもたらす。ケリーの登場は、映画にさらなる魅力とカリスマ性を与えている。
美しいラストシーンも忘れられない。双子の姉妹がついにそれぞれの運命の人と出会う瞬間は、映画全体のハイライトとなっており、観客に深い満足感と感動を与える。このシーンは、映画のテーマである「愛と偶然」を象徴するものであり、視覚的にも音楽的にも素晴らしい締めくくりとなっている。
総じて、「ロシュフォールの恋人たち」は、色彩、音楽、キャスティング、そして美しい物語が完璧に調和した作品だ。
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