そーた

ぼくらの七日間戦争のそーたのレビュー・感想・評価

ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)
3.5
子供から大人へ

小さい頃の僕は、映画の話が本当に起こるんだって信じてやまないピュアな少年でした。

そんな時分に大好きだった映画がこれ。

男女数名の中学生が学校をバックレ、家にも帰らずに秘密基地に立て込もって大人たちに徹底抗戦をする話。

最近、dTVで見つけて懐かしいななんて思いながら見てみたんです。

なんだか、自分は大人になってしまったんだな。

映画としては楽しいですよ。
でも映画は映画だって割り切って見ている自分がそこにいました。

昔の僕は、落とし穴やカタツムリの粘り気だったり、戦車やサッカーボールなんかで大人達を撃退できるんだって本気で信じてました。

今の僕はというと、明日の仕事はちょっと気が重いなとか、若い頃の宮沢りえって可愛いなぁとか、死者が出てたらシャレにならんよ、なんて事を考えながら映画を観てしまう。

もはや、映画の子供達から撃退されてしまう側にいる。

気持ちではまだ彼らと同じ気でいたのに。

純真な気持ちはもう取り戻せないでしょうけど、純真さは子供時代の糧だった事を知ることが出来ました。

基地にいついたホームレスのおっちゃんは、それをを知っていたんでしょうね。

花火のシーンで大人もそれに気づいたかのように見えました。

30代になってようやく大人になることの意味を少し学んだ気がします。

懐かしの映画を見返すのも悪くないですね。
そーた

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