マーくんパパ

河内山宗俊のマーくんパパのレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
3.9
早逝した天才山中貞雄監督現存フィルム3本の一つ。屋台甘酒売りでささやかに暮らすお浪(原節子16才)、博打宿女将の亭主で豪放磊落な河内山宗俊、お浪に同情し宗俊とも友達になったみかじめ料集めて周るしがないヤクザ用心棒市之丞。お浪の心配をよそにやさぐれ生活の弟広太郎が屋台に立ち寄った家老から将軍様払下げ小柄を盗んで売っ払う事で一悶着、またヤクザ親分が身請けした幼馴染の芸妓と心中未遂を起こしお浪が身代り身請けされる羽目に…との厄災を宗俊、市之丞が助太刀する。ユーモア溢れる掛け合いとキレのある展開、ヤクザ子分の加藤大介25才も溌剌、紙風船一つもいいアクセント。結末はあそこ迄悲壮にせずにカラッと終わって欲しかったが若き天才の作劇センスにしばし堪能。