悲劇の天才監督・山中貞雄の現存する三作品のうちの一つ。河内山宗俊（宗春）てのは江戸時代の実在人物で、歌舞伎・講談なんかでは登場人物として名を残してるそーなのですケド要はその頃のヤクザすね。監督作は『丹下左膳余話 百萬両の壺』を観た時にもビックリしちゃったモンですが、テンポが好くて面白い時代劇として今なお全然フツーに観れるという驚愕の代物なのでして、今作も正にそーいう作品です。終盤のスリリングな展開⇒宗俊その他の壮絶な最期なんて、完全に引き込まれてま～た観入ってしまいましたですよ。機会が在れば是非々々。
とは言え、個人的な評価としてはあまり高くは付けておらず、その理由は一重に広太郎とかいうガキの所為…なのですね。なんちゅーか、実に筋の通らない小僧ですよね。。（東映任侠ものとか頻繁に観てると尚更にそー思う。。）ただラス前で、宗俊がしっかり＆思いっ切りその小僧を殴り倒して凄んでくれたコト＋その様子がまた実にキマってたコトも踏まえて、いったんのこの点数としておきます。重ね重ね、映画としての観る価値ってのは（大いに完全に）有りまくる…という貴重な作品だと思います。
