野心と家族愛と愛国心が詰まった、ジョージ・M・コーハンの伝記映画。
元々野心家で傲慢だったジョージだが、家族の愛があったからこそ自分でない誰かを愛することができた。
その愛は自分の受けた栄誉と比べるまでもないほど尊いものとなっていく。
自分の人生を何に捧げるか。それを彼は見誤らなかった。
映画自体もさることながら、劇中劇も自伝的な内容で、主人公の喜びや願いが脚本の中で自然に描かれている。
その時のブロードウェイのセットの豪華さも見事で、彼がスターダムを駆け上がっていく臨場感を感じた。
作中「愛国心を煽るだけの劇なんて」とこの映画の存在自体を自虐するようなセリフがあるが、それでもいいじゃないかと揺るがぬ愛を貫く作品だ。
そして、主演のジェームズキャグニーの足さばきの見事な事。舞台を所狭しと跳ね回る姿は圧巻。直ぐな性格の演技も良かった。
”That’s the spirit ”なアメリカ映画