まーさん

39 刑法第三十九条のまーさんのレビュー・感想・評価

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
3.5
多重人格者による殺人が刑法39条(刑事責任能力の無い者は処罰の対象外とする)の適用によって許されるか否かを問うサスペンス作品。

堤真一の演技力に脱帽する作品だった。それまで穏やかであった青年が、別人格であるカモメに返信した際の狂気に歪んだ顔は観客を一気に観入らせる。

森田芳光作品では「黒い家」を観たことがあるが、この映画の気怠くどんよりとした雰囲気はそれを彷彿とさせるものだった。また、物語は静かに進行していくが、所々で魅せる暴力的な映像を引き立たせるには十分だった。一人でゆっくりと一気に観たい映画だと思う。
まーさん

まーさん