あしからず

地球の静止する日のあしからずのレビュー・感想・評価

地球の静止する日(1951年製作の映画)
3.9
SF黄金期の上質なノワールSF。
宇宙人が宿に現れる時の陰影などヒッチコック。冷戦下の世相を切り取り、友好型宇宙人(元祖)に地球平和を託す製作陣の反戦感情がシンプルな構成で的確に伝わる。全てが静止した世界(医療関係と飛行物体を除くやさしさ)の状況描写が良い。
宇宙人が「神の〜」と言い出した所は笑ったけどキリストイメージだったのか。
ただ平和を望みつつ結局圧倒的力を行使せざるを得ない矛盾は疑問。人間の愚かさのためとはいえ暴力で暴力は解決しない。
とはいえサスペンスフルな展開、宇宙船やロボットのヌルッとしたミニマルなデザインなどセンス良し。かなり好みのSF。
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