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ターミネーター2のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
5.0
人類と機械の戦争が激化する近未来。劣勢に立たされた機械軍を率いる人工知能スカイネットは、人類の指導者であるJohn Connorを抹殺すべく、過去へ刺客を送り込んでいた。1984年、Johnの母親であるSarahの暗殺に失敗したスカイネットは、1995年(少年時代)のJohnを暗殺すべく最新型のターミネーターを再び過去へと送り込む。


◆ I'll be back.

James Cameron監督が生み出した【ターミネーター】シリーズの大大大傑作。ターミネーターといえば、第一作目よりも続編である今作の方を先ず思い浮かべてしまいます。

☑︎ 機械と人類が戦争を続ける近未来。
☑︎ 未来から過去へ送り込まれた機械の兵士。

ターミネーターの基本骨子をおさえつつ、今作では更に細かな背景(設定)が描かれていました。《スカイネットが誕生した経緯》と《1997年8月29日(審判の日)に至る経緯》は勿論、シリーズになくてはならないIT企業《サイバーダイン》が登場したのも今作から。そして、2029の未来でカリスマ的指導者として手腕を振るうJohnの少年時代(幼少期の過酷な生立ちと、マシンとの死闘)も描かれています。複雑なSF作品としてのバックボーンが描かれているのに説明臭くならない。素晴らしい!

迫力のあるBGMと共に、ぶっきらぼうなのに頼りになる(機械だからな)シュワちゃんがSarah(Linda Hamilton)とJohn(Edward Furlong)を守りながら戦う姿は超カッコいい!やっぱシュワちゃんはヒーローが似合うんだよなぁ。そもそも、前作で脅威となった敵が味方になるっていう展開だけで、男子は胸が熱くなるんですわ!やだ単純!

前作で未来からきたKyleが、未来に繋がるJohnの父親であった様に、今作でも未来から来たT800の残骸が、後のスカイネット開発に寄与する展開もSF風吹かせてて良い感じですよ。過去と未来の要素があっちゃこっちゃで絡まって、なんとなくわかる様でわけがわからないこの感じがたまらない塩梅なわけよ!


◆ Come with me if you want to live.

今作ではシュワちゃんモデルのターミネーター(T800-101型)と、液体金属製の最新型ターミネーター(T1000:Robert Patrick)が死闘を繰り広げます。マシン対マシンのぶつかり合いで(ばっちし予算と火薬を確保してて)アツくならないわけがないってもんよ!

前作で《恐れを知らない不屈の暗殺者》として恐怖の対象の様に描かれたターミネーター(シュワちゃんモデル)は、十分脅威的なヴィランでした。ですが、今作のヴィランはそんな高いハードルを軽く飛び越えてくるインパクトでした!

自由自在に変化する身体を用いて、剣や鉤爪に変化させた腕をぶん回して襲い掛かる。(エレベーターを真顔でこじ開けてくるのホントやめて!笑)声帯模写だけでない高度な擬態は、人間から床まで対応可能。話し方の抑揚もよりナチュラルな仕上がりに。アップグレードされてますね〜。(シュワちゃんと電話でカマ掛け合うの本当すき。)VFXと美術を駆使した映像表現はもちろん称賛に値しますが、何よりもこのヴィランを作り上げた発想が本当に凄いわ。

ミリヲタを公言している監督だけあって、銃撃戦の派手さとか、登場する武器のレパートリーとか、火薬の量とか、アクションの派手さはピカイチ。ショッピングモールからのカーチェイス。ペスカデロ警察病院での逃亡戦。サイバーダイン社での銃撃戦。製鉄所での肉弾戦。どれもこれもクライマックス級のド迫力!最高!!

〝難攻不落のターミネーターを如何にして倒すか〟というのが、本シリーズを観る上でのワクワクポイントの一つだと思っていますが、タンクローリーはやっぱり外せませんね!前作と積荷が違う(ガソリンと液体窒素)のも粋だし、〝よっしゃ!倒した!〟と思ってもちゃんと起き上がってくる展開もよき!


◆ Hasta La Vista Baby!

しがないウェイトレスから救世主を産む聖母となったSarah Connorのペシミスティックな語りで進むストーリー。過去を変えようとするマシンに対して、未来を変えようとする彼女の対比もまた、SFチックで好きです。が、今作はSFアクションのみならず、ジュブナイル的な要素がまた良い味を出しているんですよね。

少年時代のJohnは突っ張って素行不良であったものの、根は優しい奴。そんな彼がターミネーターとの交流を通じて絆を育むのが良いんです。《生まれる前に父親を亡くした少年が、初めて心を開いた相手が殺人マシンだった。》って、切なすぎる。

プログラムに従って動くターミネーターも、スカイネットのように自我が芽生えはしませんでしたが、人間の心の機微を理解する様になりました。相互に影響しあっている良いコンビ。Sarahが隠していた武器庫で、マシンガンを片手にニヤリとする演出は完全にマシンを超えてる!無愛想なボブおじさん爆誕ですわ!

道中、器質的異常が無いのに涙を流す人間を《不思議に思い》ながら、ラストシーンでは《人間が何で泣くのかわかった》と悟りながら溶鉱炉に落ちていくシュワちゃん。最後の最後でサムズアップ。泣いてもいいですか…?(大号泣)

前作と違って未来に希望の光を差し込む形で終劇となりますが、あくまでも悲観的未来のテイストを崩さない筋の通し方がCamelon監督のブレない所。核の炎に焼かれるのは《遊具》でした。平和と未来を連想させる子供の遊具を徹底的に焼き払うオープニングは、めちゃくちゃ印象的でした。何で遊具なんだろうと思ってたけど、上手い演出だった様に思えます。


*雑記*
1991年8月24日に劇場公開となったSF映画の大傑作を、1991年生まれ同士で8月24日にレビューしてみました!
IDEAさん、剣々さん、激アツな企画ありがとうございますッッ!!!