いろどり

白い豹の影のいろどりのレビュー・感想・評価

白い豹の影(1984年製作の映画)
4.7
キルギスの雪山に暮らす白豹族の自然スペクタクルドラマ。これは本当に見ごたえのある骨太作品で面白かった!久しぶりに壮大な映画を観たなという思いでいっぱい。

見ごたえは何といってもCGなしの雪山の撮影。観ているこちらがヒヤヒヤしてしまうような断崖によじ登ったり、本当に雪崩に埋もれてしまったり、アイベックス(ヤギのようなシカのような)の大群と対峙したり、本物の山のリアルな映像は迫力満天!さすがベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。

生きる力の強い人間は、恐れず何にでも立ち向かうため、幸も不幸も呼び起こしてしまう。和を乱す欲はすべてを滅ぼす。銃をいくつも手に入れ動物を乱獲し、山の神様を怒らすさまは、「もののけ姫」のシシガミとエボシのよう。「もののけ姫」や「ナウシカ」に出てくる大ばば様のような長老も出てきた。自然とのつきあい方を問われる話でもある。

エキゾチックな民族衣装に身を包む女性たちは可愛く、屈強な肉体の狩人たちは勇敢に馬を乗り回していてカッコ良い!豪雪で民族絶滅の危機に瀕しても、吹雪のなか峠を越え、麓の民族に食料を命乞いして夏に毛皮をお返ししたり、持ちつ持たれつうまく生きている様子は本物の民族の暮らしをのぞいているようで観ていて楽しかった。中央アジア映画祭で一番観たかったけどなかなか都合がつかず諦めかけていた。仕事を調整して最後の上映に行けて本当に良かった!
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