ざっくん

白い豹の影のざっくんのレビュー・感想・評価

白い豹の影(1984年製作の映画)
4.8
 ソ連時代のキルギスで撮影された中世のキルギスを舞台にした時代劇。
 劇中で火縄を用いない銃が登場するので、17~18世紀頃の時代設定と推察。

 キルギスの雪山に暮らす白豹族のリーダーを中心に、他部族との交流、不倫を含む人間関係や銃(文明)の流入による部族の伝統の崩壊、そして最後に待ち受ける悲劇的な報いが描かれている。

 大吹雪が舞う断崖絶壁の雪山での暮らし、大草原での遊牧民族の生活、部族間の祭りや装束、生活様式が描かれており、中央アジア部族の歴史、文化を見ることができる。

 山羊や小型の鹿の群れを部族が狩るシーンがあるが、恐らく撮影時に、実際に銃や弓矢で撃っていると思われる。
 現在では不可能な撮影手法を採用している点でも特異な作品。

 渋谷ユーロスペースにて、「中央アジア今昔映画祭2022」の一作品として上映された。
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