爆裂BOX

THEM ゼム/正体不明 THEMの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

THEM ゼム/正体不明 THEM(2006年製作の映画)
4.2
教師のクレモンティーヌと作家のリュカの夫婦が深夜、寝ていると突然何者かの気配が。車を盗まれ、更に正体不明の彼らは家の中に侵入してきて…というストーリーです。
実話をもとにした映画という事で派手さはないですが、普通の夫婦が謎の侵入者たちによってどんどん追い込まれていく様は中々緊迫感と恐怖感を感じさせてくれます。何かを話してたり奇声や「チキチキチキチキ…」という変な音をさせながら広い家のなかや夜の森の中を追いかけて追い込んでくる姿は結構怖いですね。ゴア描写はないですが、リュカの腰のあたりに刺さったガラスを抜くシーンはかなり痛そうでした。
後半彼らの正体が明らかになると、怖さよりも怒りが沸き上がってきますが、結局なすすべもなく迎える救いのない結末は結構な後味の悪さです。あの地下トンネルのようなところで拷問してるほうを止めようとした奴は演技だったのかな?出口教えると言いながらも騙して仲間呼んでたりしたし、あれもゲームの一種なんでしょうね。アレだけの事をして彼らが何ごともなくまた日常に帰っていくシーンは後味の悪さと不気味さを感じさせます。
実際の事件はチェコでオーストラリア人カップルが標的になったようですね。彼らも人数は三人で結局証拠不十分で釈放されたようで、恐ろしいですね。
後味は悪いですが、77分と短い時間で不気味さと恐怖感を感じさせてくれた作品でした。