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皆殺しの天使のleylaのレビュー・感想・評価

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
4.2
答えのない不条理劇。そう来ましたか〜。
これ以上の不条理もないって感じ。

人間の集団心理やブルジョアたちの仮面の下の本性をシュールに突いてくるブニュエルの傑作。

なぜ?がたくさん出てくるけど、なぜ?を追ってはいけない作品です。「?」を外して楽しむと馬鹿馬鹿しいコメディに思えてくる。

上流階級の邸宅に招かれた20名の客たち。なぜか召使いたちはほとんどいなくなり、客たちは出口があるのに、屋敷から出られなくなる。出口があるのに、出られないんですよ。もはや笑うしかないです。

幽閉されて食糧もなくなり、気取っていたブルジョワたちが、次第に本性を剥き出しにした醜態をさらす様子をシニカルに描きます。

聖書の黙示録、生け贄の羊たち、当時の政治情勢など、メタファーが含まれているようで理解するのは難しい。繰り返しの描写があり、そこにも深い意味があるのかも。しかし、わかりません。

ブニュエルがインタビューで「この映画に深い意味など求めてはいけない」と言っています。だから、観たままを楽しめばいいと思いました。
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