皆殺しの天使の作品情報・感想・評価・動画配信

「皆殺しの天使」に投稿された感想・評価

 不条理なもんは不条理と言うだけあって、理屈で理解できるものではない。監督が作ったものを1から10まで知ろうなんておこがましいにもほどがある。問題はそんなところにはなくて、映画が面白いかどうかだ。

 ブニュエルの中でも、いや、長い映画の歴史の中でもとりわけ難解な映画として評判の「皆殺しの天使」。
 タイトルの意味、閉じた空間の意味、間抜けとしかいいようのないブルジョワジーの奇天烈な行動の意味、多くの批評家がこぞって見解を示しているのだけれど、どれを読んでも「なるほどにゃー」と思うばかりで、答えとして正解かどうかなんて浅学非才なボクにはわかりっこない。

 ストーリーは至って簡単。あるパーティーに参加したゲストたちが、宴か終わっても翌朝になっても部屋から出ることができなくなり、そのうちに人々の本性が剥き出しにされはじめ、、と、言葉で書いてみるだけでもダラダラした映画w

 ひとつひとつのエピソードは観ていて楽しい。おそらくどれもこれも何かの暗喩を示しているに違いない。そのひとつひとつに自分なりの解釈を加えていくことで、より楽しめる仕組みになっている。

 根本的には金持ちたちを皮肉ってるんだろうなとわかる、わかるけど、、そしてパーティーに喜んでくるような人種にはほとんどロクなのが居ないということは、フィルマなんてマニアックなところで映画のレビューを読み書きしているような賢明な皆さまならじゅうぶんご承知のことかと思う(わたしは違うよという方いらっしゃいましたらゴメンねw)。

 なので、そういうしょうもない人々の寓話みたいなのを観て面白がるというのはそれはそれでマニアックなのだけれど、あんまり誉められたことでもないし、高尚とも言えないなぁと思う。

 とは言え、そんなふうにさまざまな考察を試みてみたくなるような映画っていうのはどこか魅力的で、それもまた映画好きに与えられた楽しみ方のひとつであることも間違いない。
 ブニュエルの哲学的映像美がなぜこうも人の心を捉えて離さないのか、それがよくわかる映画でもある、と言えるかもしれない。
タイトルかっこいいねと録画したやつ。
かなり前から下書きに入りっぱなし。

すでにうろ覚えだけど💧不条理劇とな。
全編意味が分からなくて、即効で考察を見にいったんだった。

同じシーンを繰り返す。
唐突に熊や羊が室内に登場。
ハンドくんみたいな手が動いていたっけ?
どうやっても部屋から出られないブルジョワジー達の右往左往。

ラストでまた、えーっ⁉️となる。
nova

novaの感想・評価

3.5
超久しぶりのルイス・ブニュエル。この不条理感やっぱり好き。この状態をどう説明する?わけがわからない。または普通すぎるのか。だらだら続く抜け出せないブルジョワジーの贅沢を批判してるのかな。表向きの忖度や見えない壁。極限状態での人間の行動のおぞましさ。ラストの鐘の音が不気味でした。この前観た「ミッドナイトインパリ」の部屋から出られなくなるブニュエルの映画ってこれのことだったのね。うれしい発見。
豪華な邸宅で開かれたパーティーの部屋から帰れなくなった人々が徐々に混乱し、理性を失っていく不条理映画。部屋から一歩も出られない理由がいい。ただなんとなく嫌な感じだから。中の人間も、外で待機する人間も「敷居を跨げない」ってのがいい。
2020.7.25 シネフィルWOWOW(録画)(字幕)
0821

0821の感想・評価

4.0
作品説明に「不条理劇」と書いてあるのを深く意識せず鑑賞したが、本当に不条理であった。そもそも映画にそんなジャンルがあることを知らなかった。(または知ってたけど忘れたか。最近ではこちらの可能性のが高い。)
なぜか部屋から出られない紳士淑女たち。
常に理路整然とはいかないのが世の常でしょうが。とはいえ戸惑う。驚く。わけわからん。
映画に限らず別に真相など追及しなくてもいいと思えたら後は楽。
どうせ全部は飲み込めない。
有耶無耶が積み重なった自分の適当人生が良いのか悪いのかはもう知らないけど、不条理劇を観て不条理と感じたからたぶん大丈夫。
タイトル「皆殺し」は強気だな。
1962年メキシコ映画か。これは無知の知じゃなくてただの無知でした。
NUZOO

NUZOOの感想・評価

3.7
面白いけどちょっと冗長、でも冗長さが大事な話っぽかった。

従業員がどんどんいなくなって熊と羊が唐突に出てくる序盤が一番謎。友達の家とかクラブの早朝みたいなダレた雰囲気で金持ちたちが寝そべってるのはかなり面白い。
中盤以降は理屈が通った焦燥や混乱なのでそんなに突き放されることなく楽しく見れた。家主が最後までまともなのが救いだ。
最後の打開法がイップスの解消法みたいだったのも面白かったし、妙に納得できる。

役者の顔が覚えられなかったのが一番の難関だった。
日本人の俳優でやるなら誰、とか考えるのが楽しそう。
どぅ

どぅの感想・評価

4.0
難しすぎて解説ないとわからない部分が多かったけど、究極な状況になると人の本性が出たり、おかしくなったり、高貴な人達がみすぼらしくっていく様子が面白かった。
最初の方は、オール明けで萎えてるパリピ飲みサーみたい笑
犬

犬の感想・評価

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一夜のパーティからタイミングを逃して帰れなくなってしまうブルジョワ達の不条理劇。なぜ部屋から出られないのかは観てる側もブルジョワ側も意味が分からないんだけど、シュルレアリストのブニュエルに映画的文法や法則を求めて解析すること自体が野暮。ただ目の前の理性/品性の喪失や羊の群れなどの不可思議なシステムを楽しめば良い。
すごく教育的な映画だと思った。マジ。帰りたい時はすぐ帰りましょう。行きたくない"お付き合い"には行かぬよう。"反復"は時/場所/人が違えど、大して変わらぬ飲み会の不毛に見える。不条理箱庭化された"参加"同調の果ての地獄…って私情入りすぎてますかね?

…真面目に書くと「横長の映画のフレームは、立ってる人間よりも寝姿を捉えることに適している」…の証明のような映画。

2020/05/17
〈ブルジョワジーの遭難@home〉

 冒頭から大聖堂によって“神”の存在を仄めかし、ブルジョワ階級のやつらを真綿で首絞めるように痛めつける愉快犯的密室サスペンス。加害者のいない論理破綻の監禁に際し、やつらは避難もできなきゃ非難もできず、ただただ憔悴していく。

 タイトルにもある「天使(ángel)」とは、なにを表すのだろうか。不条理な地獄をもたらした超自然的な存在(要は神に近い)か、あるいは神意を名目にブルジョワに一泡吹かせたルイス・ブニュエル自身のことか。いや、それとも「ワルキューレ」との渾名を持つ汚れなき娘レティシアのことなのだろうか。

 ただ、密室劇ということもあり、映像的な魅力には欠けていた。ひとつの空間で捌くには無理があるくらい各人の陰口や企みが交錯することも踏まえると、やっぱりほかの部屋をもっと活用してもよかったのではないか(監禁の息苦しさが低減する恐れもあるが)。物語の奇抜さからか現在も崇められている作品のひとつだが、たとえば小津やフェリーニの同年代の作品と比べると古臭さは拭えない。

 私の好きなゴダール『ウイークエンド』の発想元として重要な作品である。
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