クリストフォルー

小早川家の秋のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

小早川家の秋(1961年製作の映画)
4.1
小津の初東宝映画だけに、オールスターといえる陣立てなのだが、たとえ森繁がコミカルな狂言回し役で出てきても、やはり最後は、ビリング止めの中村鴈治郎のトリックスターが全てかっさらっていく。浪花千栄子とのコンビネーションは無双だ。この面白さがわかる関西人でよかったと思える。
新珠三千代のいけずな京女ぶりはストーリーに深みを生み、山茶花究が関西スパイスを加えてくれた。しかし、なにより京都の長閑な夏の映像に、観光では味わえない世界が有ることをあらためて感じた。この映画を観ることが、まるで失われてゆく京都への野辺の送りに思え、自然に涙が湧いてきた。
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