ふかい

小早川家の秋のふかいのレビュー・感想・評価

小早川家の秋(1961年製作の映画)
4.2
やっぱり小津はカラーの方が圧倒的に映えると思う。成瀬に対してはそんなこと思わないのに、なぜだ。
いつもの小津作品とは異端のものが多く登場するので、見応えがある。突然の外国人の彼氏や、森繁久弥の芸達者っぷりが小津の世界観を崩すか崩さないか程度に発揮されている。
「ちゃうちゃう」「もういいかい」など反復される台詞と、「家を抜け出す」「倒れる」という行為も2回起こる。倒れる瞬間は映さないし、死に顔も映さない。この徹底してドライな感じが、最後の葬送行列のシーンの禍々しさを際立たせる。終盤で突然放り込まれる笠智衆と妻の会話も不気味すぎ。
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