普通に観たら普通のブロードウェイバックステージモノのミュージカル。但しこれがトーキー第一号の記念すべき世界初のミュージカル映画ということらしい。今から90年前、ここから数々の歌と踊りの世界が開いていったと思うと感慨ひとしお。西部の踊り子ハンクとクィニー姉妹が花のブロードウェイにやって来た。長女ハンクの恋人エディが歌手として活躍していることからプロデューサーに紹介してもらい一線の舞台ダンサーになる事を夢見て。姉妹仲のいい2人、2人一緒に売れることを願うが舞台の世界は厳しい。美貌の妹に惚れてしまうエディ、金持ち男ジャックもプレゼント攻勢で妹を口説きにかかるが姉には誰も見向きもしない。妹クィニーも姉をこれ以上傷つけないようにジャックになびく振りをしながらも本心はエディの求愛に応えたいジレンマが…。世界恐慌の吹き荒れ始めたこの時代、人々はこの虚構の世界で織りなされる夢と恋愛、歌とレビューの華やかさに酔わされ救われた気持ちは想像以上のものだったはず。
