1868年、ある事情から賞金首ベン(ロバート・ライアン)を狙うハワード(ジェームズ・スチュアート)は、追跡中に金鉱探しの老人と元騎兵隊の男と合流する。彼らは賞金の分け前のことでお互いを疑い、ベンはそれを利用して逃亡を図ろうとする。
「グレン・ミラー物語」のアンソニー・マン監督作品。
登場する男たち全員が、それぞれに心の闇を持っているという、ちょっとひねった西部劇だ。
あのジェームズ・スチュアートさえも金のために裏切りと殺しに走ろうとする。
だからこそ、ラストはちょっと緩すぎるというか、楽観的に見えてしまった。
一方で、崖の上と下での対決という構図のこだわりが活きてて、なかなか面白い銃撃戦が見られる。それに、拍車を武器に使うってのも、ありそうでなさそうな攻撃で生々しかった。
監督も同じだけど、「ウィンチェスター銃'73」と同じジェームズ・スチュアートとミラード・ミッチェルのコンビが心地いい。
賞金首ロバート・ライアンは、「罠」とか観るとけっこういい男なのに、悪役が多いのは不思議だ。
そして、「若草物語」「サイコ」のジャネット・リーはこの頃が一番美しいんじゃないかな。