暴行され一切の記憶を失った男。
記憶がなくなっても、その人の性質は残るんだな。
私なら気がおかしくなりそうだけど、彼は戸惑いながらも淡々と日々をこなし新たな日常を受け入れていく。
決して意気込みすぎず、でも前向きな彼に、人は集まり優しさの輪が広がっていく。
客観的に見たら、みなとても恵まれているとは思えない。
でも日常に潜むささやかなしあわせにどう向き合うかで、人生がこうも豊かに見えるとは。
ひとつひとつの会話にハッと気づかされることがある。
「人生は前にしか進まない。」
初アキ・カウリスマキ監督。
パルム・ドッグ賞を取った犬のネーミングセンスまで好きだった。