HidekiIshimoto

幻の馬車のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

幻の馬車(1939年製作の映画)
3.5
19で上京した時、一番嬉しかったのは映画館だらけだったことかも。あの心境は例えれば飲み屋横丁に踏み込んだアル中、もしくはツタヤの奥の暖簾を分け入った男子高校生。ツタヤもなかったあの頃はまだ名画座があちこちにあったので、19の小僧がおフランスのデュヴィヴィエ映画もいくつか観てる。小汚い名画座で小難しいヨーロッパ映画を観てたのは、未知に触れる喜びが一番で理解はまあ二の次。理解なしでも世界は開けていた。初めて観るこれもやっぱりそんな開けた感じが良かった。合成映像もなるほど良いけど、1番萌えたのは突如ミュージカルみたいになる教会の懺悔連鎖シーン。あのまま連鎖連鎖で大ミュージカル化してれば、怖い物語と相まってカルト映画化してたかも。ナウいねと古く褒めるのがぴったり映画。