海老

レオン 完全版の海老のレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.6
初めて観たのはいつだったか、もはや思い出せないのですが、チャーチル繋がりで思い出して久々に再鑑賞したので記録。公開当初は映画館で観られる歳ではなかったのが悔やまれる。

どうしてここまで引き込まれるんだろう。

息を呑むシーンの連続。目を背けたくなる残忍なシーンも、日常の風景も、何気ない仕草も。名演と素晴らしいカメラワークと、他にも色々と仕掛けられているのでしょうね、映像そのものが魅力的で、哀愁漂う世界観に釘付けです。

一昔前の作品ゆえに映像も今ほど綺麗じゃありませんが、それさえも風合いに感じる。風化した建物とも同調していて、寂れ具合がとてもいい雰囲気。

何より、この作品では登場人物の魅力も外せないのは、もはや今更という感じですね。
レオンとマチルダ、そして悪役スタン。いずれのキャラも際立っている。
ゲイリーオールドマンの狂気に満ちた怪演はことに衝撃的でした。クラシックを奏でながら一家を皆殺しにするシーンは、誰もの記憶に必ず残るんじゃないでしょうか。フリスクを上むいてカリッ!ってやったことがある人は絶対にいると思う。
あと、この作品を観ていたら自分がロリコンになったのかと心配する、と映画仲間が言っていましたが、その気持ちも分かります。まだ可愛らしさの残る、「女」へと成長する時期と、殺しの世界というミスマッチがこうも惹きつけるとは。ナタリーポートマンは奇跡のキャスティングだったと思います。
レオンは多くを語る人物じゃありませんが、文盲であることを垣間見せるシーンが特に印象的だったのを覚えています。細かいシーンですけど。あぁ、これしか生きる方法がなかったんだな…と何気なく覗かせる演出。こういうのも本当に憎い。

物語も勿論素晴らしかったですよ。
その脚本を彩るに相応しいだけの、演出、世界観が完璧に構成されていて、これだけ愛される名作となったのだろうな、と思います。

とてもまだ娘には見せられませんが、大好きな作品です。
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