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ピアノ・レッスンのemeronのネタバレレビュー・内容・結末

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

会う前からこの夫婦のすれ違う関係を象徴する場面がある
夫は新妻の写真を見ているようで実際に見ているのはガラスに映る自分だった
エイダにとっての声であるピアノの重要性を見落とすことになる
押し引きのタイミングをことごとく間違う旦那

その一方でベインズはピンポイントでピアノの重要性に気づき押し引きのタイミングも完璧だった
エイダを攻略するのに黒鍵分もいらなかったのである

セクハラ行為が恋愛に発展してしまう稀な成功例
セクハラ問題で追放されたワインシュタインのミラマックスが制作していたことも今となっては味わい深い

娘はエイダのラブレターであるはずの鍵盤をベインズに運ぶ役割だったのだが
分岐点で別の道を選択したことによって代わりに切り取られた指を運ぶことになる

指をなくしたことでピアノと共に海に沈み、一回死んでリセットされた。
ピアノへの執着も薄まったことで声を取り戻すことができるようになっていく
死んだ自分を思うことで新たな生活を迎えることができたのだろう
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