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ピアノ・レッスンのchipのレビュー・感想・評価

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.6
浜辺に、波打ち際に置き去りにされたピアノ…印象深いこの画像は見たことがあった。忘れられなかった。

今回初鑑賞。

スコットランドからニュージーランドに子連れで嫁いだエイダ、船には荷物ともに愛用のピアノも積んで…
彼女は口がきけなくて、ピアノが彼女の言葉だった。
とにかく、絶えず流れているピアノ曲が秀逸で、映画全体が芸術作品のように感じた。

小さな船から重いピアノを降ろす、この異様な風景に見入ってしまった。波が容赦なく打ち付ける。
浜辺から夫の家は遠く、足場が悪いところをのぼる…夫は重いピアノを運ぶことを拒み、ピアノは置き去りに。
家からピアノをながめるエルダの悲しそうな様子。
夫への不信感が募る様子。
彼は全く普通の考えの男性で…
こんなふうに拒まれてかわいそうに思った。

ある理由でピアノをおしえることになった原住民の男ベインズ、彼はエイダのピアノの音色に魅せられる。そのあとの成り行きは…
不倫!と言えばそうだけれど…
異国の地で、ただひとりピアノを理解してくれる人に出会った喜びが、エイダを彼のもとに向かわせたのだと思う。
でも現場を見た子供と夫にはきついなぁ~

妻を再度信じようとしたときの裏切りで、義父がとった行動は…
とてもショッキングだったけど、気持ちわからないでもないかな。。

今後も自分が何をするかわからないことが怖い、と義父が言い。。

エルダが、ピアノを弾いて、今まで見せたこともない柔らかい笑顔を見せる。
平和なラストでした。

大好きな「ビッグシック」のユニークなママ、ホリーハンターが演じたエルダが、不思議な雰囲気。娘役のアンナ・バキンとともに、アカデミー賞も納得の演技でした。
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