Haman

ブリキの太鼓のHamanのレビュー・感想・評価

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)
4.0
フルパワーでのピーターパン症候群。生まれながら厭世的で大人になんてなりたくない、と悟ったオスカル君が3歳で自ら成長を止める話。
幼少時代のタモリが幼稚園なんて馬鹿らしいと入園を拒否したみたいな逸話をちょっと思い出した。

戦争や醜悪な大人達、自らの殻に閉じ籠ってそれらの世界を拒絶し、周りの人間はそれに呼応するように悲劇的に死んでいく。
成長を止めたことで何故か超能力が開花したり、母親が生魚の食い過ぎで死ぬという悲喜劇の紙一重な感じだったり、一癖も二癖もあるストーリーがめっちゃ面白かった。

後半部分、オスカルの初恋の相手マリアとの絡みもすっごいエッチでよかった。どこか退廃的に醸すヨーロッパ特有のエロスな感じ。
思春期なりたてに道端でエロ本を初めて見つけた時みたいな、なんかよく分からんのですけどすっごい卑猥ですねえ!っていう、あの得も言えない感覚が蘇ってきて最高でしたです、はい。
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