ブリキの太鼓の作品情報・感想・評価

「ブリキの太鼓」に投稿された感想・評価

とり

とりの感想・評価

3.0
頭で偉大さは分かっても心で好き嫌いの分かれそうな劇薬。タイトルとジャケットだけ知っていて普通の戦争映画と思って見て始めたら、思っていたより遥かにブッ飛んだ神経逆撫でトンデモ映画だった!まずまさかのファンタジーなわけだったけど、何より世の中の醜さを悟りながらそれ以上にムカつくオスカルの目がヤバい!全くついていけない。不条理に満ちた人生を戦争と共に駆け抜け皮肉に描き出すような試みだけど如何せんナチスどれくらい重要だった?とか思ってしまったりも。変態的で表現が露骨な不愉快のオンパレード状態に全身がむず痒くなりそうなほどドン引きしてしまった地獄絵図。ラース・フォン・トリアー監督等で物議を呼んだ作品や悪趣味と言われる作品への耐性は付けてきた筈だし、実際そういった方がヘビーだろうけど、たまたま本作の悪趣味さだけは合わなかった。けど見た目は子供、頭は大人という要素、とりわけその状態で軍服など着ているシーンは何かのメタファーなのだろうか。なんて気にもなったけどもう何でもいいよ、どうせ見返すことも無いだろうし。

「3歳の誕生日にブリキの太鼓をあげる」「頭のおかしい小人!精神病院に入ったらどうなの!」→まさしくそれ
マヒロ

マヒロの感想・評価

4.0
産まれてすぐにこの世の醜さを悟り、3歳にして自ら成長することを止めてしまった少年オスカルの目線から、ナチスが台頭しつつあるポーランドを描いた映画。

産声を上げる前にまず世の中に対する諦観の境地に辿り着いてしまうという、賢いとかそういうレベルを超越しているオスカルは、自分の意思だけで身体の成長を止めたり叫び声で物を破壊する能力を持っていたりと、主人公ながら得体の知れない力を持った謎の人物。
歳をとらない子供が主人公という童話のような雰囲気を持ちつつ、中身はエログロ一直線なドギツいシーンの連発で、妙に生々しい性描写や戦争に翻弄され死にまくる登場人物たちなど、子供の目の前でこんなことやっていいんかというものばかり。オスカル役の子は当時11歳だったらしいが、多感な時期にこんなの見せられたらおかしくなりそうだ。
一番凄かったのは、海から引き上げられた馬の頭からウナギがウジャウジャ湧き出てくる場面で、何が何だか分からないが物凄いおぞましさで頭にこびりついて離れない。
オスカルの初恋も、若き二人の淡い恋…とはいかず、デロデロの性描写に終始して爽やかさのカケラもない。幼い少年が一丁前の性欲でもって女の子に迫る様は、言っちゃ悪いが不気味なところがある。

グリム童話のような暗いテイストの童話を更にグチャグチャにしたようなおどろおどろしさのある映画だけど、ステキな場面もいくつかあって、ナチスの集会に忍び込んだオスカルの太鼓の音色に合わせて演奏が崩れていき、しまいにはナチの高官を讃えるはずだった集会がダンスパーティになってしまうシーンは、むしろさわやかさすらあった。

タイトルの素朴さからは全く想像のつかないコッテリとした映画で激しく面食らったけど、少なくとも一生忘れない映画になったことだけは間違いない。

(2019.50)
どのカットで止めても美しい、とは、同時に見ていた芸大生の評ですが、まあそれはマジにそう。美しい。
内容はヤバい。美しさでくるまれてなかったら最後まで見れなかった。いわゆる語りの技法によるところが度々あったので原作は小説だろうなと思ってたらやっぱりそうだった。原作だと主人公は西ドイツで精神病院に入るらしい。壮絶すぎる。
現代って小人の方とかをテーマに創作するの、むしろ肩身が狭くなってるんじゃないかと思うことがある。障碍あるけど夢を追いかけるワ、的な、グレイテストなアレ的な話以外書いたら即危ない団体に殴られるんじゃないかって恐怖、その点この作品のほうが自由、むしろ小人たちに対して真摯に見える。実際サーカス団長格好いいじゃないですか。そのへんは結構まじめに感動した。
ワサビ

ワサビの感想・評価

5.0
業の塊を抱えた登場人物ばかりで、全く手加減なく人の愚かさを描いた怪作。
痛々しいほど滑稽に描かれた第二次対戦の歴史劇は、とても強い反戦のメッセージなんだと思う。
Wisteria

Wisteriaの感想・評価

4.5
ノーベル賞作家ギュンター・グラスの処女作にして代表作を映像化するという難しい仕事を、シュレンドルフ監督は見事にやり遂げた。
独特な滑稽さを宿しつつ、登場人物それぞれのセクシュアリティを生々しく浮き上がらせながら、全体としてナチ政権下ドイツの異様な世間の様子を伝えることに成功している。
主人公オスカルがなぜ3歳で成長することをやめてしまったのか?身体は小さな子供なのに、周りの大人たちをシニカルに見つめるオスカルの眼差し…この眼差しこそ、作者グラスの目であり、シュレンドルフ監督の目なのだろう。あるいは、この子供でも大人でもないオスカルという特異な存在が、当時のドイツ社会を象徴してるのかもしれない。
なお、原作は3部構成で、映画はその1部と2部を描いている。第3部は戦後のドイツにおいて、成長したオスカルが一人の人間として苦悩する姿を描いている。シュレンドルフ監督なら、このブリキの太鼓第3部をどんな風に映画にしただろう。
健太郎

健太郎の感想・評価

3.5
第一次世界大戦×ナチス×小人症

そんな映画だからカオスで気持ち悪い

要はいかにもカンヌでパルムドールなんですよ!

人間の不幸と気持ち悪さていうか

だけどなんかハマっちゃう

カッコウの巣の上で グリーンマイルとか
気持ち悪いけど美しさ感じるみたいな

ドイツ舞台だけど雰囲気はおフランス映画な感じした
hanadeka

hanadekaの感想・評価

5.0
サイコー!!!!

どこの国にも頭のおかしい人はいるんですね。
もちろんいい意味で!
🚧👷🏻‍♀️鑑賞記録ONLY👷🏻‍♂️🚧
ホラーじゃないのに幼少期のアタシのトラウマ作品の1つでつ((((;゚Д゚)))))))
Nasagi

Nasagiの感想・評価

3.4
友達が以前気になっている映画と言っていたので観たがかなりの問題作…

生まれつき大人並みの知性を持つ主人公オスカルは、大人たちの醜態に嫌気がさし3才にして自らの成長を止め、代わりに叫び声でガラスを割る超能力(?)を手に入れる。

性が身近にあった時代、人々がナチスの思想に傾倒していった時代を、グロテスクで生々しい映像とともに描き出す。

映画としては非常によく出来ていると思ったが、内容に悪意を感じたためあまり好きではない。

感じた悪意の正体が何なのかはまだはっきりしていないが、1つ言えるのは、登場人物たちはみな歪んではいるものの、狂気を感じるものではないということだろう。

1人1人の行為は(少なくとも自分にとっては)理解できるものであるに関わらず、全体として反倫理的な雰囲気が漂っていてとても気味が悪い。
それがこの時代の全体主義というものなのだと言ってしまえばそれまでなのだけれど。

特に母アグネスについては、彼女に醜い大人たちの罪をあそこまで背負わせる必然性を感じなかった。
牛の頭を無数のウナギがむさぼっているのを見てアグネスが嘔吐するシーンなどは彼女の姦淫の罪を示しているのだろうけど、本当にえげつないことをするよなぁ。
とや

とやの感想・評価

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オスカルの見た目と中身のアンバランスさに恐怖を覚える。彼が原因で死んだり破滅したりした人がいるのに、見た目が子どもであるがゆえに許されてしまうことが怖かった。残酷でグロテスクな現実の代表がオスカルなのかもしれないとも思った。
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