ガルベス

霧の旗のガルベスのレビュー・感想・評価

霧の旗(1965年製作の映画)
3.8
山田洋次監督×松本清張原作という今日からすると異色の組み合わせ。
「男はつらいよ」以前から倍賞千恵子と接点があったとは。

強盗殺人の犯人にされた兄の冤罪を晴らすために九州から上京し、高名な弁護士に懇願するも門前払い。
主人公は去り際に「先生、兄は死刑になるかもしれません…」と言い遺す。

あの展開は些か強引な気もするのだが、事実を捻じ曲げてでも復讐を遂げていく主人公の執念に背筋が凍りつく思いにさせられた。
主人公と同じ境遇に立たされた弁護士の発言が皮肉で、さらに転落していく様がしんどい。

松本清張の作品は定期的に摂取していきたい。
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